話すことに繋がらない英語教育

2017年に文部科学省が"英語教育改善のための英語力調査"を実施しました。全国の中学3年生約6万人及び高校3年生約6万人の英語力は、CEFR(Common European Framework of Reference for Language : ヨーロッパ言語共通参照枠)A1上位レベル(日常会話が出来るレベル)では、聞くこと29.1%、読むこと28.8%、話すこと33.1%、書くこと46.8%でした。英語を書くことに強みを持っている学生が多い反面、聞くことや読むこと、そして話すことに関しては苦手な学生が多いということが分かります。

日本では、英語を学んでも、実際に日常生活で使う機会が多くの人にとってほとんどありません。普段の生活での会話は日本語で完結してしまうことも一つの理由です。また、中学校や高校では英語の文法から入る為、会話のツールを身に付けるというよりは、一つの学問として学ぶかたちになりがちです。

日常生活では滅多に使わない表現を多く習得することが求められ、英語に関する知識は増えるかもしれませんが、いざ会話の場面に遭遇すると役に立たないことが多いです。苦手意識を持ってしまう学生も少なくありません。また、正しく書く英語を最優先に教育することで、もしも間違っていたら?と話すことや聞くことを躊躇してしまいます。英語はコミュニケーションです。聞く練習なしでは相手の言っていることが理解出来ず、話す練習をしていなければ正しい発音や話し方が出来ず、自分が伝えたいことが相手に通じないことがあるのです。

2022年06月23日