日本の技術力を運用するものは英語

日本は天然資源がほとんどない国です。これまでの日本経済成長を大きく支えてきたものの一つは、日本の製造業です。ものづくりで海外に輸出して得た利益が、日本経済に大きく貢献してきました。

しかし、日本の製造業だけで、日本経済の成長を支えていくことは難しくなっています。今や、中国や東南アジアといった国々では、日本製品と変わらない品質のものを、日本よりも遥かに低コストで製造可能な技術を持っています。国際的に競争した際に、価格の面で日本の製造業が負けてしまいます。

例えば、以前までは、iPhoneなどのApple製品には、日立、東芝やソニーなどの日本企業がAppleに部品を大量に提供していました。しかし、現在では、中国や台湾企業の部品が使われているケースが少なくありません。Foxconnなどの台湾企業に取って代わってしまっています。この状況を放置してしまうと、さらなる産業の空洞化に繋がります。

これからの日本が何を武器に世界と競争すればよいのか。それは日本の技術力しかないと思います。技術力は、世界中の多くの国々と競争しながら、さらに磨かれて質も高くなっていくものです。しかし、そのような状況で英語が使えないと、日本の技術を世界で発表するのも難しく、海外企業の持つ技術を知り理解することすら出来ません。

ノーベル賞を受賞するような世界的に認められている日本人研究者であっても、普段から英語でスピーチをしている人はほとんどいないと言われており、国内で研究をしている一流の学者の方々も、英語で論文を発表することは少ないようです。これが大学の評価に影響して、世界のランキングで日本の大学が上位に入ることが出来ない理由の一つになっています。

日本を大切に思えばこそ英語が必要です。英語を身に付けることが、国際的な競争力を高めることに繋がります。

2022年07月16日