優先して覚えるべき英単語とは

今回は少し専門的なお話になります。英語には莫大な数の単語がある為、片っ端から覚えるスタイルは効率的ではありません。あまり使う場面が少ない英単語ばかりではなく、重要な単語を厳選して覚えるべきです。

英語にはどれくらいの単語があるのでしょうか?200万語以上という説もありますが、この数を正確に計ることは困難です。これは単語をどのように定義するのかによって変わってきます。例えば、happy、happiness、happily、unhappyをまとめて1語とするか4語とするかで変わってきます。また、英語は、日々様々な言語から単語が入ってきて、新しい単語も生まれているのも理由です。日本語にもモチベーションやサブスクリプションといった外来語や、推しやインスタ映えといった新語が生まれているとイメージすると分かりやすいと思います。

語彙学習において、単語を数える際に、ワードファミリー(word families)という単位を使うのが一般的です。これは、英単語の活用形と派生形を含めて1単語とします。例えば、learnには、活用形のlearns、learned、learnt、learning、派生形のlearner、learnable、unlearn、overlearn、forelearn、relearn、outlearnなどがありす。これら全てで1単語です。成人の英語ネイティブスピーカーは平均2万のワードファミリーを知っているとのデータがあります。

その一方で、日本の大学生が知っているワードファミリーの数は、平均2000と言われています。この数字だけ見ると、英語を話せるようになるのは大変だと思われるかもしれませんが、頻出される重要な英単語は限られている為、それらを集中しておさえればいいのです。一般的な英文を読む際に、定冠詞のtheは約7%をカバーすると言われています。次に頻出度が高い10ワードファミリーで約20%、100ワードファミリーで約50%、1000ワードファミリーで約80%、2000ワードファミリーで約90%、3000ワードファミリーで約95%、そしてここからも少しずつ増えていきますが、3000ワードファミリーからはカバーできる範囲もほんの少しずつです。これはごく一部の単語がほとんどを占めていて、その他の単語が出てくる機会は限られているということです。

英単語は、高頻度語、低頻度語、アカデミック語彙、専門語彙の4種類に分類されています。その中でも高頻度語は、一般的な英文の約95%をカバーすると言われており、まずはこれらをおさえるのが最優先です。このよく頻出される英単語、そしてもしも仕事でも英語を使うのであれば、専門語彙もプラスで覚えていくのが効果的になります。

ここまで専門的な話になりましたが、英語を学習し始めたばかりの方は、複雑に考えずまずは基本的な単語やフレーズを覚えるところから入れば十分です。高校生までにふれる語彙や文法は基本になるので、これら全てをおさえるくらいでも問題ありません。

2025年02月11日